京大教授:小出裕章先生

現時点、炉心の一部溶融
これからメルトダウンするとどうなるのか?

1945年8月6日 広島の原爆 ウラン800グラム
原子力発電所1基平均 100万キロワット
一日で3㌔のウランを燃やす。
島型原爆の3発分4発分を一日で燃やす。
それで出来たエネルギーの1/3を電気にして、残りは海に放出。

スリーマイル島は、燃料棒の45%が溶融し
原子炉の下に溜まった。しかし、底が抜けることは防げた。
スリーマイル島の時は、冷却水のポンプは稼働していたが、事故が起きた。

今回の福島原発では、電力がなくポンプが一切稼働できない状態。
そこで、消防のポンプを使って水を送ることにした。
事態が一気に破局に向かうのを防ぎとどめている。
しかしながら、少しずつ悪い状況になってきている。

考えられるケース1
炉心が溶け出し、圧力容器(鋼鉄の巨大な容器)にそこに溶け落ちる。
そこに水が残っていると、水蒸気爆発を起こす。
大きな爆発だと、圧力容器が壊れる。
すると、圧力容器を覆っている格納容器も壊れる。
そうなると、放射能を閉じ込めているすべての機能がなくなる。

考えられるケース2
炉心が溶け出し、圧力容器のそこに溶け落ち、水がなかったとすると
圧力容器を溶かし、貫け落ちる。
炉心が溶け出すのは2800℃
圧力容器は、鋼鉄ですので1500℃で溶ける。

今、炉心が溶け出す危機に直面しているのは、
1号機・2号機・3号機の3つの原子炉
この全部の出力を合計すると、200万㌔ワット
チェルノブイリの原子炉は100万㌔ワット。
チェルノブイリの2倍の放射能がある。

このような事態になったら、どの地域まで影響があるのか?
風向きに大きく影響される。
ずっと西風がふけば東京には被害はないが、
現に東京に放射能が観測されているように、
東京にも影響は出ると考えられます。